図書館に生まれ落ち図書館で生きる図書館の子。まるで夢のよう。

本ばかり読んでいた子供時代を過ごした者なら、一度ぐらいは夢見たことがあろう図書館に住むという夢。誰とも会いたくない、学校にも行かず、ただ本を読んでいたいという夢。
これは、そんな他愛もない夢が体現された世界に生まれた少年の物語。
自ら望んでそうなった訳ではない彼は、当惑しながら図書館の中を一人で彷徨う。美しい言葉で綴られる淡い夢のような、しかし快く美しいばかりではない夢のような物語。

でもやっぱり私は、この図書館に住みたいと思う。