生ぬるくない、とびきりダークなファンタジー

ヒトだったなら倫理的にまずかろう、という非道の限りを尽くすオーク。ヒトではないからセーフだ。

ロード・オブ・ザ・リングの、こちら側(魔法使いやホビットやエルフやヒト)ではなく、あちら側の心情は、たしかにこうなのだろう、と思う。醜いとか汚いとか卑怯だとかは、全てこちら側が勝手に思うことで、あちらには関係ない。

あれでも、こういうストーリーを、つい最近ニュースで目にしなかっただろうか?

民族浄化だとか、大量虐殺といったルール無用の蛮行は、今まさにヒトの暮らすこの世界で起きていることだ。

とはいえ、現実逃避できる荒唐無稽なお話(ファンタジー)として楽しむもよし。生まれながらにして気高く美しいエルフみたいな存在にイラッとする自分などは、かなり胸がすいてスカッとした。