概要
妻にも会社にも、僕の時間は浪費されていく――。
結婚3年の記念日。僕の仕事が終わり次第、専業主婦である由希子と記念日ディナーに出かける予定だった。
なのに化粧に手間取ってすぐには出られない、5分待ってくれと言う。
周りにいいように使われる僕の人生はくだらない。
僕が自由に使うはずだった時間、僕が生きるはずだった時間を、集めて捨ててある<ロスタイムの埋め立て地>がどこかにあるはずだ。
そう考えた僕が赴いたのは、とある山際の土地。
霧が晴れ始めたとき、前方に信じられない物が現れた。
なのに化粧に手間取ってすぐには出られない、5分待ってくれと言う。
周りにいいように使われる僕の人生はくだらない。
僕が自由に使うはずだった時間、僕が生きるはずだった時間を、集めて捨ててある<ロスタイムの埋め立て地>がどこかにあるはずだ。
そう考えた僕が赴いたのは、とある山際の土地。
霧が晴れ始めたとき、前方に信じられない物が現れた。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!失われた時間を集めたら、理想の人生は待っているのか。
周りの人の都合で失われていった自分の時間は、どこかに集められているのではないか、その発想が面白かったです。
社会の中に生きていれば、時間を犠牲にしなければならない場面がたくさんありますよね。
一日二十四時間、全てが自分のもののはずなのに、どうして他人のために使わなければならないのか。その失った時間があれば、興味のあることが何でもできるのに。
きっと多くの人が、そんな気持ちになったことが、一度や二度はあるのだと思います。
では、たくさんの自由時間を得たら、自分の理想通りの人生が送れるのかと言われたら、決してそういう確約があるわけでもありません。
今作の主人公のように、他人に費やしてきた時間…続きを読む