思い出はいつもやさしい。日々の仕事や生活に、少しずつ磨り減ったこころ。ある程度の年齢になると、定例の同窓会が楽しみになるんですよ、と教えてくれたのは、旅先で出会ったおばさまだった。大人になって再び出会うふるさとは、思い出よりも、古び、色あせ、こぢんまりとして、温かい。20世紀に青春を過ごしたオトナのこころを、一〇分ほどで、そっと癒やしてくれる作品です。