周りの人の都合で失われていった自分の時間は、どこかに集められているのではないか、その発想が面白かったです。
社会の中に生きていれば、時間を犠牲にしなければならない場面がたくさんありますよね。
一日二十四時間、全てが自分のもののはずなのに、どうして他人のために使わなければならないのか。その失った時間があれば、興味のあることが何でもできるのに。
きっと多くの人が、そんな気持ちになったことが、一度や二度はあるのだと思います。
では、たくさんの自由時間を得たら、自分の理想通りの人生が送れるのかと言われたら、決してそういう確約があるわけでもありません。
今作の主人公のように、他人に費やしてきた時間も肯定し、これが自分の人生なのだなと納得できたら、とても素敵だと思います。
限りある時間、どう使うかは自分次第。
失った時間に対してどんな気持ちを抱くのかも自分次第。
そんな、大切なことを感じました。