揺蕩う狭間のその先へ

本作は高校の卒業を控え、児童養護施設を退所する主人公が、妹の不可解な宣言とともに異世界に飛ばされることから始まります。
ベロボーグとチェルノボーグという二柱の神を祀る世界では、王国と帝国の戦争が続いており、王国に保護された主人公は帝国からの密偵を疑われてしまいます。

やがて、夢の中で再会した妹の導きにより、主人公は不思議な光景を目の当たりにします。かつて、この世界で兵士として生きていた自分、そして巡り会った王女との切なく儚い恋の行方、その結末が明らかとなったとき、彼の新しい物語が幕を開けるのでした。

各話がそれほど長くなく、また文体も落ち着いて読みやすい構成となっており、すんなりと物語が染み込んでくると思います。
兵士と王女、兄と妹、二つの世界と人生の先に主人公は何を見るのか、今後の展開が楽しみな作品です。

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