チートやハーレムとは無縁の泥臭い異世界ファンタジーです。
読みやすく、序盤から緊張感と興奮が支配する作品です。
文章が自然と物語に引き込み、物語に説明臭さなどありません。
主人公は、記憶喪失ですが、剣などの武器を作る能力に目覚めます。
しかし、その能力は、異世界では異質な能力。
なぜ、異世界に来たのか?
なぜ、そのような能力があるのか?
自分は何者なのか?
そもそも人間なのか?
と、物語を読ませる謎に支配されていて、読み進めるのが止まりません。
主人公以外もキャラが立っていて面白いです。
ハイクオリティーな作品ですので、異世界ファンタジー好きにオススメです!
少年が目覚めた時、彼は何も覚えていなかった。
名前も、過去も、なぜこの異世界にいるのかすら。
魔法も使えない。
スローライフとは無縁。
美少女に無視される日々。
だが、死の危機に瀕したその瞬間――少年は目覚めた。
彼が手にしたのは、世界のあらゆるものを“創造”する力。
それは、神に近い“奇跡”か、それとも忌むべき“禁忌”か。
魔獣の襲来、謎めいた魔人の影、隠された世界の秘密。
そして、少年自身の過去の謎――。
彼が“創る”未来は、希望か、破滅か。
その運命は、まだ誰にもわからない。
異能×異世界×創造の力!
すべてを作り出す異能を巡る、壮大なファンタジーが今、動き出す!!
異世界転移してしまった記憶喪失の主人公は、魔獣狩りを生業としている男性に拾われる
主人公には忌み嫌われる「異能」の力が宿っていて──と、ここまでであれば、よくある異世界転移モノの導入だ
男性の養子の女の子がまったく会話してくれなかったり、男性の一番弟子に軽くいじめられたりはするが、まだまだ普通の異世界転移モノの皮を被っている
本作品がその非凡さを発揮するのは、バトル展開に入ってからだ
主人公の異能は、いちおうチートでこそあれ、決して無双できるような能力ではない
故に、常にギリギリ
持てる力をすべて使って、人の力も必死で借りて、なんとか勝利をもぎ取っていく
とにかくハードモードな本作品だが、それゆえに勝ち取った勝利が何よりも尊い
特に、第二章で得たものはあまりにも大きく、読んでいて心を揺さぶられた
困難に打ち克つ作品は疲れるからと嫌い、チート無双であったりスローライフであったりとストレスはないが感動も少ない作品を好む人も多いだろう
しかし、面白い作品はどう足掻いても面白い
そして、それこそが本作品なのだ
食わず嫌いをせず、まずは第一章まで読んでみてほしい
※アカウント利用停止措置を受けたため、本レビューは再投稿となります
魔法や魔獣が世界に広がる、ストレートな異世界ファンタジー作品です。
とは言え堅苦しい訳ではなく、むしろ読み易いです。
キャラクターについてですが、世間に広まっている魔法とは、別系統の異能を主人公は持っています。
割とチート系かと思いきや、魔獣や魔人といった敵はそれ以上の能力で迎え撃ってくるので、苦戦を強いられると言いますか、一筋縄ではいかない展開が広げられています。
その描写が丁寧に描かれるので、かなり熱の入ったバトル展開と言えます。
負傷の描写がやけにリアルで、グロとまではいかないものの、思わずこちらが悲鳴を上げたくなる場面さえあります。
この迫力ある異能バトルこそが、作品の一番の見所ではないでしょうか。
シナリオも王道で、良い意味で取っ付きやすいですね。
師匠となる方に戦い方を教わり、ヒロインと出逢い、仲間を増やしていく。
襲いかかる敵と死闘を重ね、真実に触れていく王道的なお話です。
ですが、ただ王道なだけではありません。
時に物語の中で、悲劇的な展開が出てきます。
そのシーンは、無情なほどあっさりと訪れるのですが、そこがやけに現実的と申しましょうか。
必ずしも、大事な人の危急の事態に居合わせられる訳じゃ無いよなあと、考えさせられます。
非常に上手い展開でした。
王道でありながら、良い意味で外すところは外した、インパクトを与えるのが上手い作品でした。