健常者も障碍者も、同じ心を持っている

昔、教育実習の一環として施設を訪問した時のことを思い出しました。
障碍を持った方々と生活を共にするのは初めこそ違和感と驚きが多々あるものの、それは単に自分の無知からくるもの。やがては現場の空気に馴染み、そこでの日常に溶け込めるものです。

しかし、この作品が描くのはそれ以上の関係が構築される過程です。
言わば心と心のバリアフリー、互いを隔てた壁が取り除かれ、真の理解が成り立つまでを丁寧に追っています。
これは、車椅子の少女と多感な童貞君の恋愛ストーリーなのですから。

自分を良く見せる為、障碍を持った人に優しくする?
そうじゃない、そうじゃないんです。
だって、健常者にも悩みはあるし、苦しむことも多々あるし、社会から疎外されることだって当たり前のようにあるのですから。

立場やしがらみを全て取り払った時、最後に残るのは同じ現実と戦い続ける人間同士という真実だけなのです。だからこそ、そこに恋愛が成立するのです。
ラブコメでありながら、この世の真理を浮き彫りにしてくれる良作。
自分を閉じ込めた狭っ苦しい障壁を取り除いてしまいたい貴方へ、おススメです!

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