パッと浮かんだいいアイデア。呼び込むのは幸かそれとも──。

主人公のサクラは、ひとりでいる場面の多い“目立たない”女の子。思考より体が先に動き決して根暗ではないのだけれど、なぜかひとり。そんな彼女へ気軽に声をかける先輩の加瀬は、超がつくほどの真面目な男子。
一見すると凸凹のようで、しかしふたりの息はぴったりです。
ある日、オカルト研究部の活動中に巻き込まれた事件から、加瀬は彼女と境遇をともにすることになり……。

サクラが思いついた「いいアイデア」が、上手に物語を結んでくれます。
犯罪や死が描かれているものの重苦しさはなく、枝分かれする未来がどうなるのか、読後に想像する楽しみがありました。