左右の境界を越えて、少女は輝く

左と右の違いがとっさに判断できない。
主人公の少女・遥香は、左右認識の失調により、幼少のころから自身が他者より劣っていると思っていました。左と右の区別。たったそれだけ、けれど、彼女にとっての「たったそれだけ」は、あらゆるものごとがうまくできない原因となったのです。
父母の敷いたレールにのり、芸能学校に通う遥香。そこで彼女は、まばゆく輝く“彼”と運命的な出会いを果たします。彼に見出された、闇の中にまたたく光。恋する心によって覚醒した彼女がもたらす幸せとは──。

他者にできることが、私にはできない。
けれど、他者にはできない、私にしかできないことがある。
他の誰でもない、自分に誇れるささやかな自信に気づかせてくれるような物語でした。

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