主人公のサクラは、ひとりでいる場面の多い“目立たない”女の子。思考より体が先に動き決して根暗ではないのだけれど、なぜかひとり。そんな彼女へ気軽に声をかける先輩の加瀬は、超がつくほどの真面目な男子。
一見すると凸凹のようで、しかしふたりの息はぴったりです。
ある日、オカルト研究部の活動中に巻き込まれた事件から、加瀬は彼女と境遇をともにすることになり……。
サクラが思いついた「いいアイデア」が、上手に物語を結んでくれます。
犯罪や死が描かれているものの重苦しさはなく、枝分かれする未来がどうなるのか、読後に想像する楽しみがありました。
オカルト研究部の部室にこもる主人公は、時々部室にやってくる先輩と顧問としか交流のない部員だった。先輩は度が過ぎるほどの真面目だ。先輩が、煙草を注意して、その輩に二時間も説教した事は記憶に新しい。
そんな先輩が、やっと部活動らしき提案をする。近くの神社に幽霊が出るというので、そこに行って幽霊の正体を確かめようというのだ。この提案を主人公は断固拒否。仕方なく一人で調査に向かった先輩は、病院に運び込まれる。
先輩は犯人に殺されかけたのだ。
ここで明らかになる主人公と先輩の関係。
そして、全ての伏線が回収される、衝撃のラスト。
果たして、主人公と先輩が選ぶ道とは?
是非、ご一読ください。