冷たい現実に温かさ、そして、ひたむきな意思で向かう物語。

「異形」という不気味な存在がいる世界で、ある研究所で研究員をしている主人公「陸奥」が調査のために不思議なひまわり畑に赴き、そこで出会った異形と心を通わすことのできる「アサヒさん」を媒介して、様々な異形と触れ合っていき、本当に異形は恐い存在なのか、人間は何をしてきたのか・・・・と徐々に迫っていく物語になっています。

文体は優しくて、陸奥さんとアサヒさんの楽しい掛け合い、可愛い仕草を見せる異形にクスッとしつつも、深みのある世界観と、一本筋の通った強いテーマ性のある本当に楽しくて、心が優しくなれる作品です。

物事を多面的に見る大切さ、そして真っすぐな心の籠った言葉は、確かに人の心を打つ・・・・ 皆さんもぜひ読んで、その優しさと強さに触れてみてください。

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