タキシードミー・マーメイド

作者 富士普楽

63

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★★★ Excellent!!!

不慮の事故でカナを失ったキョーコ。「あたしのカノジョになれよ」────そこまで言う仲だったのに。
カナの後を追おうとするキョーコの元に、怪しい男が現れる。
彼は魂を人魚の剥製にして、集めているのだという。
そのコレクションの中に、カナの姿を見つけてしまい────

鳥肌が立ちました。情緒が乱れました。読んだ後は語彙力が消し飛びます。
凄い作品です。

★★★ Excellent!!!

大切な人を失ってしまった時、
本当にそれが失われることを恐れるなら、
自分の心からその感情が消えることが最も恐ろしい。
それを『保管』する方法は一つ。自分を終わらせること。
その選択をしようとする彼女の前に現れた、渡し守と『人魚』とは……。

誰かの、自らの『死』との向き合い方を見つめるような話。

★★★ Excellent!!!

死は救済、は割とネットミーム化していると思うんですが。
それゆえに死を思う(メメントモリ)とそこの価値観に対するキャラクターの在り方が色濃く浮き彫りになる。

物語に出てくる“あたし”も、渡し守も、死に対して一家言あって、特にあたし(キョーコ)が作中に叫ぶ想いは誰も否定し得ないもの。

……という、真面目なところと共に、重たい死を扱っているにも関わらず、神妙であるのにどこかコミカルであるのも本作の魅力だと思います。

渡し守さんは今日もまた人魚の剥製を探しているのかしら、とちょっと空を見て、感じいったりするのでした。