概要
真冬の天体観測、観ているのは上の星か隣の彼女か
※これを書く直前、作者は夏目漱石の作品を読みました。影響を受けやすい作者です。ああ、この人漱石好きなんだなぁ、という温かい目でご覧になってあげてください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!古典の帳と天体観測
こちらの作品で描かれるのは、若者たちのありふれた日常風景です。
にもかかわらず、格調高い美しい文体であるためか、文章を追うあいだ、終始その美しさに引き込まれ、いっきに最後まで読んでしまい、読後には線香花火が落ちたときのような寂しさすら感じるほどで、また、物語を充分に咀嚼できていないためか、喉に魚の小骨でも引っ掛かっているような感覚もあり、気が付けば、二度三度と繰り返し読んでいました。
天体の知識。文学評論。人間自体への哲学的な考察。などなど、作中つづられる様々な要素は、どれも興味深くて、知的興奮を覚えました。またそれらのイメージが、ときにはっきりと、またときには迂遠に対応しているようで、読…続きを読む