魔王は勇者の対だと、誰が決めたのだろうか。

最初は、ファンタジー版『おれがあいつで、あいつがおれで』みたいな話かと思っていたのですが……。

勇者の体に乗り移ってしまった魔王。自らの体と魔力を取り戻すために魔族の総本部へ向かう……? 

というストーリーなんですが、設定や伏線が細かくて、読みながら様々なポイントで「おっ」とさせてくれるので常に新鮮な、ワクワクした気持ちで読み進めることができます。

魔王としての矜持、己を取り戻す使命、そこに混ざる仲間への信頼や恋心なんかも混ざり……? 

終始徹底して「オレサマ」な魔王テネブリスがとにかくかっこよくて、「人の上に立つにはこれくらいの器が必要なんだな」と感心してしまいました。多分ですが口調を除けば理想の上司。配下が慕うのも分かる気がします。

登場するキャラクターも色濃いです。なかなかの数出てくるのですが、どれもしっかりと特徴があって、設定を細かく練ったんだろうなぁ、と作者の思い入れを感じました。

理想のボスに出会いたいあなた。
テネブリス様に惚れ込んでみては?

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