実はシリアスな重厚ファンタジー。戦記物の香りすらする
- ★★★ Excellent!!!
最初の10話程度まで、これはコメディなのか?と思わせる部分が多々あり、仲間たちのやり取りが大真面目過ぎて、それがなまじコミカルに見えるため、勇者の皮をかぶった魔王と愉快な仲間たち、という進行するのかなと思わせておいて、実は重厚ファンタジー。
国と勇者、魔物と勇者、勇者と勇者…という感じで、勇者に対する色々な出来事が、中身が魔王という事により、良い意味でのアンバランスさ、かつ、意外性のあるシーンを構築しております。先が読めない点、どのように進行しているかも、どんどん想像がつかなくなっていくという。
仲間たちもただのテンプレキャラかと思わせておいて、深い人間性と過去をもっていたり、かなり厚みあり。
また魔王も、勇者とのギャップのせいで、最初はコミカルにさえ見えたその凄惨さが、魔王らしさを帯びてきて、迫力を増していきます。
通常は魔王VS勇者というのが王道路線ですが、魔王+勇者VS〇〇、となっており、その相手は人間であり、魔物であり…?一番世界を、ダメにしているのは?という所まで考えさせられていく。本物のルクルースの人間性や性格は、周囲の反応からしか推し量れませんが、中身がテネブリスでなければ解決できなかった事もあるようにも思え、彼が勇者の中にある意味すら考えてしまいます。
彼らの冒険に、どのような結末が待つのか。一味違う、勇者一行の物語をぜひご堪能ください。