概要
魔族を統べる凄惨たる魔王・テネブリス=ドゥクス=グラヴィオールは、勇者ルクルースに問う。魔族と人間、長きに渡る争いに雌雄を決する為に勇者ルクルースは、命を賭して一騎打ちという選択を選んだ。
実力の拮抗した両者の命運は、お互いの強大な一撃に託された。魔王と勇者、尋常ならざる魔力同士の衝突は、激しい閃光を生み出す。刹那、辺りはまばゆい光に包まれた。
その後、魔王テネブリスは見慣れぬ一室で目を覚ます。
一切の魔力を失っている事と、馴染みのない肉体の感覚に違和感を覚え、その場にあった姿見で自分の姿を確認すると、そこにはあの日、一騎打ちをした相手である勇者ルクルースの姿が映っていた。
理解できない状況が起こった矢先、魔族が現れたとの一報を耳に入れる。自身の身に
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!魔王は勇者の対だと、誰が決めたのだろうか。
最初は、ファンタジー版『おれがあいつで、あいつがおれで』みたいな話かと思っていたのですが……。
勇者の体に乗り移ってしまった魔王。自らの体と魔力を取り戻すために魔族の総本部へ向かう……?
というストーリーなんですが、設定や伏線が細かくて、読みながら様々なポイントで「おっ」とさせてくれるので常に新鮮な、ワクワクした気持ちで読み進めることができます。
魔王としての矜持、己を取り戻す使命、そこに混ざる仲間への信頼や恋心なんかも混ざり……?
終始徹底して「オレサマ」な魔王テネブリスがとにかくかっこよくて、「人の上に立つにはこれくらいの器が必要なんだな」と感心してしまいました。多分ですが口…続きを読む - ★★★ Excellent!!!真面目だから面白いという、斬新さ!おススメです。
【物語は】
勇者と魔王の一騎打ちにより始まる。
本編に入ると、戦いの結果が徐々に解明されていく。そして、主人公は驚愕する、自分の置かれている状況に。名前を告げて周りに信じて貰えず、記憶喪失と勘違いされてしまう。しかしそれは、彼にとって吉となるのだった。
【登場人物の魅力】
主人公だけがいつも通りの振る舞いをする。それに対し、周りは勘違い状態で進んでゆくのだが、そのすれ違い方が絶妙。
主人公の考えていることは周りにはわからないので、勝手に彼らが誤解し、主人公に振り回されていく。だが、彼にはそんなつもりは毛頭ない。
特に三話の辺りでは、おかしくて腹筋が崩壊しそうになった。
しかしこの後、ター…続きを読む - ★★★ Excellent!!!実はシリアスな重厚ファンタジー。戦記物の香りすらする
最初の10話程度まで、これはコメディなのか?と思わせる部分が多々あり、仲間たちのやり取りが大真面目過ぎて、それがなまじコミカルに見えるため、勇者の皮をかぶった魔王と愉快な仲間たち、という進行するのかなと思わせておいて、実は重厚ファンタジー。
国と勇者、魔物と勇者、勇者と勇者…という感じで、勇者に対する色々な出来事が、中身が魔王という事により、良い意味でのアンバランスさ、かつ、意外性のあるシーンを構築しております。先が読めない点、どのように進行しているかも、どんどん想像がつかなくなっていくという。
仲間たちもただのテンプレキャラかと思わせておいて、深い人間性と過去をもっていたり、かな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!キャッチコピーに偽りなし!
上記に書きましたが、文字通り、【爆誕】が相応しい。
『世間を騒がせるような衝撃を伴って生まれる』
正に、それに相応しい物語と言って過言ではない。これぞ、ダークファンタジーの金字塔と言える作品。転生&転移物に飽きた方、この作者の物語を読むべき、と断言できる。
魔王の魂が、本来敵対する憎むべき勇者の器に移った発想だけでも逸脱なのに、魔王が失った力を取り戻すべく、勇者の肉体で、かつての支配していた魔族を私利私欲で屠っている事が、結果として人間側に益をもたらしている、と云う展開と展望は見事としか言えない。
話が進むに連れて明かされるであろう『魂の転移』を含めて、全く新しい勇者伝記を読…続きを読む