概要
心の中で幕が上がる。役者は胸の裡を燃やす。そして、二人は──
劇団sparkには看板作品がある。主人公が友と恋人を失う悲劇『誰が為』だ。ウィリアム役を演じる緒方と、その役を演じたい穂村。それぞれに感じ、考え、己の道を見定めた。これは、二人の役者が心燃やす物語。
「アイデンティティ」「最愛」「火花」の三題小説。
「アイデンティティ」「最愛」「火花」の三題小説。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!作中と作中作内で交差する人物像
人はなぜ、物語を読むのか。
物語を読むこと、
劇や映画を観ることには、
どんな意味があるのか。
読む過程には既に書くがあり、
書く過程には常に読むがあると思います。
創作と創作間の相互作用、
互いに現実と虚構の区別なく、
重なり合って、刺激しあって、
共感したり自己投影したりと、
複雑に絡み合っていきます。
虚実が曖昧になるのは、
私たちにとって他者がわかりえないから、
なのではないか。
小説や劇などのフィクションは、
そういう他者という存在に似ています。
解釈し、判断し、時に思いもよらぬ動きをし、
自分に影響を与える。
この作品には、確かに運動があります。
いきいきとした混淆が感じ…続きを読む