花火の祝砲―あの花火はやはり彼女の仕業だった―

　夏祭り。３日続くそのお祭りには多種多様な的屋や屋台がある。
　父がトラックに轢かれて異世界転移も転生も出来なくて嘆き入院しているため、代わりに屋台のたこ焼き屋をやる事になった八重樫忍。

　彼女のたこ焼き屋に三日間通い続ける彼は誰かに似ていた。
　祭り最終日には祭りの近隣の河川敷で花火大会が行われる。
　花火師の趣味で最後の数発では毎年いろいろな文字が咲く花火が打ち上げられる。


　「へい、らっしゃい！」「何玉入りにしやすか？」「ちょ、そこ順番抜かししよると綾瀬川に沈めっぞ。」
　元ヤンキーで今はたこ焼き屋（退学はしていない）
　父の入院で不安を拭い切れない彼女の前に現れた少年。
　不幸のどん底みたいな少年は彼女に何をもたらすのか。

　これは【花火の祝砲―たこ焼きが癒してくれた―】のサ…続きを読む