そう、純粋であればこそ……

抑圧的な両親にひたすら勉学に追い立てられ、心を病んだ主人公。彼をひとすら慕う妹、「ましろ」。その存在は救いであるとともに、時に、わずかに重荷にも――そんな複雑な心を背景に、兄妹の通学路が語られます。

まっしろな想い。まっしろな心。その表現からイメージされるのは、純真で、まっすぐで、美しい心ですが――だからこそ生まれる恐怖があることを、この作品はつきつけます。
読了して思いました。「人間なんて雑多でごちゃごちゃでいいんだよ」と。

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