求婚? 誘拐の間違いじゃないの!?

その日、婚約者に求婚されるはずだったマリア。そして、実際に求婚されたのです。ただし、婚約者でない別の男性に。
元々いた婚約者は、既に決闘で破っているので問題なし。これから夫婦として共に暮らそうと言ってくるのは、イケメンの辺境伯、ハロルド。いやいやいや、いくら婚約者を破ったとしても、例えイケメンでも、そんなの納得できるわけがありません。当然承諾できないマリアですが、ハロルドはというと、恥ずかしがってるのかと、会話にすらならず。イケメンだからって何でも許されると思うなよー!
とはいえ貴族の結婚とは、自らの意思よりも、家や周りの都合が優先されるのが常。あっという間に彼の領地に連れていかれ、妻として屋敷で生活することになるのですが、そこで待っていたのはおかしな使用人達。

どうおかしいのかというと、例えば執事は首がなく、フットマンは狼男……いえ、『狼男の娘』と言った方がいいでしょうか? とにかく、屋敷にいるのは皆人外ばかりなのです。幸いといいますか、マリアは幼いころからそういう存在を近くに感じていたので、普通の人よりははるかに耐性があるのですが、それにしたって……

──と、これまでネガティブな情報ばかりを書いてきましたが、屋敷での生活は意外と悪いものではありません。人外の使用人達はしっかりしていますし、何より夫であるハロルドは、当初の強引さとは裏腹に、マリアに対して優しく丁重に接してくれます。たまーに、ちょっぴり強引に迫ってくることはありますが。
既に夫婦となってしまったのだから、このまま夫として受け入れるべき? それとも、略奪同然の結婚はやっぱり無理?
マリア及び我々読者は、この結婚を受け入れ、ハロルドを夫と認めることができるのでしょうか?

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