恋への一歩を踏みだすのは、こんな雨の日がちょうどいいのかもしれない……

 朝から雨の日には、使われることもなく、突然の雨には、忘れられていることが多いのが、折りたたみ傘ではなかろうか……?
 しかし、鞄に忍ばせておくことは、けっして無駄ではなくて……。

 文化祭準備のための委員会が紛糾する間に降られた、突然の雨に、校舎の玄関で立ち尽くしていた、この物語の主人公。

 そこから、紛糾した原因へと、記憶が回想されていく。
 主人公は、そこに登場する先輩にどんな想いを馳せていたのだろう。

 主人公の回想が終わる頃、その先輩と偶然出逢った。今、ここで出逢った理由を聞いて、更に……。
 そして、折りたたみ傘を持っているからと、差し出された大きめの傘。その傘を手にした主人公の想いは、どう募っていくのだろう。

 恋が始まりそうな予感がする、素敵なラストシーンだと思う。

その他のおすすめレビュー

浅葱 ひなさんの他のおすすめレビュー342