人間から血を吸うことができず、喉の渇きが癒えることのない吸血鬼。ある日出会った人間は、死にたいからと吸血鬼に身体を差し出してきた。人間と吸血鬼。二人の出会いがもたらしたものは…。優しく、甘く、悲しく、切ない物語。作品全体を包み込む、大きな愛を感じます。二人がたどる、揺るぎない愛の形をぜひ、最後まで見届けてください。
人間から吸血鬼になった主人公。不器用ゆえに人間の血に飢え、吸血鬼仲間とも混ざれない。ある日「僕のこと殺していいよ。血を吸っていいよ」と死を願う人に出会います。生きる苦しみと飢え、痛みにある二人。惹かれ合い、ずっと一緒にいたいと願うその先にある結末とは──。『嘘をついた獲物』という題名が、最後に分かります。生きたいのに生きられない。痛みから逃れたいのに、逃れられない。一緒にいたいのに、生きたままでは一緒にいられない。死は愛や夢を引き裂くものではなく、願いを叶えてくれるものなのかもしれません。
吸血鬼。死にたいガンにかかった人間。ラストは意外です。そして、切ないです。
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