人間から吸血鬼になった主人公。不器用ゆえに人間の血に飢え、吸血鬼仲間とも混ざれない。
ある日「僕のこと殺していいよ。血を吸っていいよ」と死を願う人に出会います。
生きる苦しみと飢え、痛みにある二人。惹かれ合い、ずっと一緒にいたいと願うその先にある結末とは──。
『嘘をついた獲物』という題名が、最後に分かります。生きたいのに生きられない。痛みから逃れたいのに、逃れられない。一緒にいたいのに、生きたままでは一緒にいられない。
死は愛や夢を引き裂くものではなく、願いを叶えてくれるものなのかもしれません。