一千年の孤独を超えたら、愛の唄で出迎えて。運命に抗う、熱き恋愛譚!

 神話時代からつながる運命に翻弄される、若き騎士たちや令嬢の友情と恋愛を描いたこの作品は、シリーズ二作目となっております。
 一作目はこちらからどうぞ。

 「月落ちる森Ⅰ 白夜の狼」
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054890571276

 今作では、主人公セリアルカと彼女の恋人アルファルド、二人の友人ヒース、の恋模様や友情を軸に、神の器として選ばれた若者たちの苦悩や闘いがより深く描き出されています。
 物語の鍵を握るのは、一千年前の出来事。現在につながる様々なことの始まりとも言えるその時代、聖王や英雄と呼ばれた人物たちの遺した物語が、時を超えてセリアルカたちを悲劇の運命へといざなうのです。まだ十七歳の若者である三人ですが、神話の系譜に連なる者として運命に立ち向かわねばなりません。
 その過程は生易しいものではなく、時に傷つき時にぶつかり合い、愛情や友情を見失うことも。

 けれど、物語は全体として重苦しい雰囲気はありません。緻密な筆致によって描かれた神話の森は畏怖を呼び起こす美しさで脳裏に広がってゆきますし、癒しの白狼はどんな苦しい時でも側に寄り添っています。
 セリアルカのさっぱりした性格と、熱い活躍を見せるヒースの友情、若者たちを取り巻く大人たちや別の場所で活躍する学友たちの深い思いやり、そういう温かなものが物語全体を彩っていて、今は孤独でも必ず救済はある、と希望させてくれるので、ぐいぐい読み進めていけます。
 完結していますので、最後まで見届けることができるのも安心です。

 第一作目を読了したら、ぜひこちらにも手に取ってみてください。
 二作目ならではのより深い感動とワクワク感が待っていますよ。

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