ある日、偶然出逢ったおじいさんからの言葉が、私の未来を変えてくれた……

 転校生の主人公は、新しい学校に馴染めず、次第に孤独な毎日を送ろうとしていた。
 そんなある日、突然、女子のリーダー格の誕生会に、本人ではないクラスメイトから誘われる。

 しかし、誕生会に呼ばれることのなかった主人公は、更に孤立を深めていった。誰に相談をすることもできずに……。

 ひとりで下校する道すがら、これまでのことに、不意に涙が溢れてきた。
 その背中に、優しく声をかけてきたのが、白髪のおじいさんだった。今までに、見かけたことはあっても、話したことのないそのおじいさんに、主人公が問いかける。

「強い人はどうして弱い人をいじめるんですか」

 主人公の感情の吐露に、このおじいさんは、なんて答えるのだろう。

 偶然の出会いが、それまで塞ぎ込んでいた主人公の考え方に一石を投じた。
 その言葉は、前向きになれる魔法の言葉のように思えた。それは、この物語の主人公の進むべき未来を決定づけた、たいせつな言葉だったようにも思えた。

 読後が優しくなれる、素敵な物語でした。

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