忘れがたい出会い。

 海辺に満ちる闇の色も、一瞬一瞬で様々に音色を変える波の音も、人の心の寂しさも、透明感溢れる文体に導かれ、実体験のように堪能いたしました。

 心を揺さぶり、人生観を変えるほどの出会いは、実生活の中でもなかなか得難く、奇跡のようにも思います。

 作中の二人も奇跡のように出会い、宝石のように美しい、忘れがたい時間を過ごしますが、この作品に触れる読者様にとっても、この二人の時間は忘れがたく記憶に残ることと思います。

寂しいな、大切なあの人を思い出してしまったな、そんなときに読みたい作品です。