海の見える物件が気に入ってそこに住んでいる主人公ですが、海は綺麗なだけではなかった。
海の描写が素晴らしく、夜の海の寂しさ、暗さに怖さを覚えました。
主人公の感じる海がよく伝わってきます。
寂しい。人恋しい。
そんな夜の海に現れた希望のようなランタンの光。導かれるように出会う二人。
出会った青年が描いていた空と海。個人的に、この陽が落ちた時の真っ暗でない、ほのかに青く光る空が大好きなので、読んでいて分かる!分かる!と思いました。
その美しい空の色と主人公が同じ名前というところも素敵です。
主人公の心によって海の描写が微妙に変わるところなど本当に海の情景が素晴らしく描かれていて、それがまた物語の哀しさを倍増させている気がします。
勉強になる作品でした。