概要
姉は、金魚をすくうのが上手かった。
姉は私のことをいつまでも幼いと思っていて、アイスクリームを与えれば機嫌がよくなると勘違いしていた節がある。
姪と一緒に夏祭りに行くことになった私は、姉との思い出を回想する。祭りの夜のこと、部活の大会のときのこと、クーラーがきいた部屋のこと。
姪と一緒に夏祭りに行くことになった私は、姉との思い出を回想する。祭りの夜のこと、部活の大会のときのこと、クーラーがきいた部屋のこと。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!端々の表現が美しい、夏の回想。
姪との交流と、姉との日々の回想を交えて、人間の関係を描いた短編作品。
この小説の素晴らしいところは、何気ない場面に美しい表現や描写が散りばめられているところ。
その表現・描写が物語を深く掘り下げていってくれるんですね。
作中に起こる出来事の一つ一つはさほど突飛でないためにリアリティが濃く見えます。
かと言って、読んでいて退屈な現実を描いているわけではありません。
現実の範疇にありながら、物語性のある人生の一場面が切り取られているのです。
その上で表現や描写が物語に色を与えています。
とても綺麗なバランスで物語が作られているので、読んでいて非常に面白いんですね。
物語の組み立て方やシーン…続きを読む