泊める為の約束

アマ先輩───朝日海を泊めるのは良いのだが、俺は1つ忘れていた事があるそれは、11時に配信枠をとっていた事だ。


やばい、やばい、どうしよう!

………あっ!この事を言って海に泊まるのは止めてくれと提案しよう。

ナイスだ俺、今日は冴えてるぞ!


「なぁ、海」


「ん?何?」


海は相変わらずベッドの上に乗っており漫画を読んでいた。


「俺さ、11時に配信するんだよね」


「うん、で?」


なっ!でって何だでって、での一文字は人を一番不快に思わせる言葉なんだぞ、分からんけど、まぁ、良い。


「だからさ、言い方が悪くなるんだけど帰ってくれない?」


言った後に俺は後悔してしまった。


他にもっと良い言い方があっただろ!なにしてんだよ俺は!


「喋んないから、お願い!」


「いや、でもな」


「私、誰かの家にお泊まりするのが夢だったの、今日はせっかくのチャンスだから…」


誰かの家にお泊まりするのが夢だって?くっ、可愛いじゃあねぇかよ。

いや、俺も友達の家に泊まったこと無いんだけど?

終いにはちょっと涙目になってる。


「っ、しょ、しょうがないな、配信中は喋るなよ」


「うん、分かった!」


涙目になっていたのが嘘だったのか、今は満面の笑みを浮かべていた。

配信するとは言ったものの配信まで約4時間とまだまだである。


「なぁ、海腹減ってないか?」


「お腹すいた」


「なに食べたい?」


海は顎に手をあてて考え始めた。


「う~ん、あっ!つっきーの料理が食べたい」


「俺の?」


「うん、つっきーの料理」


「まぁ、何かを頼むよりか安上がりだし良いか」


冷蔵庫をあけると買っておいた豆腐と挽き肉があった。


「う~ん、麻婆豆腐でも作ろうかな」


「麻婆豆腐?私それ好きなやつ!」


一人ではしゃぐ海を横目に豆腐をサイコロ状に切り、挽き肉などを入れて炒める。


「ねぇねぇ、いつ出来るの?」


「まだ、作り初めて5分もたってないぞ」


「私、料理しないから出来る時間なんて分からないもーん、ふふ」


海は俺の周りをうろちょろしている、正直邪魔なのだが上機嫌なので良いだろ。


「いつもは、弁当でも食ってるのか?」


「そうだよ、いやー、最近のコンビニは凄いね、何でも揃っちゃうよ」


「はぁ、俺はお前の身体が心配だ」


「大丈夫だって、サラダ食べてるし」


「そうか」


コンビニ弁当であれだけの美貌を保てているのは凄いと思う。


「よし、出来た」


出来た麻婆豆腐を厚ぞこの皿に移しかえテーブルにおく。


「うひゃー、待ってました!」


「ご飯はこんぐらいでいいか?」


「うん」


海は俺からは米を貰うとすぐに麻婆豆腐を食べ始めた。


「はぁ、いただきます」


ちゃんと手を合わせ、麻婆豆腐を一口食べる、ちょっぴり辛いが旨く出来ている。


「つっきー、美味しいよ、お店でも開けるんじゃない?」


口の周りを汚した海が俺の料理を誉めてくれる。


「様子を見るにお世辞じゃなくて良かった」


「ん?どゆこと?」


「ちょっと動くなよ、ほいっ」


俺は海の口周りをふき海に見せる。


「なっ?」


「うー、何か恥ずかしいー」


「まぁ、おかわりはまだあるからいっぱい食べてくれよ」


「うん」


海は口周りをまた汚しながらうなずいた。

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