3650回目の「死にたい」、

もし愛する人が死にたいと言ったら。
その人が限りなく冷たい、暗い気持ちを背負っていたら。
「死にたい」という感情の重さを突き付けられる、ふたりと時間の物語です。

「死にたい」というワードから成る彼女とのやりとりで、「生」と「死」と「恋愛」を描けていると思います。とても読みやすく良い作品だと思います。

「死にたい」なんて言っちゃだめ。みんなそう言いますね。

周りが心配するから。
人に嫌な思いをさせるから。
同情を誘おうとしてると思われるから。

検索欄に「死にたい」と打てば、世界中に止められる。そんなこと絶対やめろと、冗談でもそんなこと言うなと電話番号が糾弾してくる。そんな時代。


でも、「死にたい」って言いたくなる気持ちを否定するのはおかしいでしょう？


そう思ってしまったのは事実なんだから。
そう言葉にすることで心が確かに軽くなるんだから。
それで生きていけてるんだから。


「死にたい」のお陰で生きていけたっていいでしょう？


抱きしめたいくらい、好きな話でした。
僕も本当は…続きを読む

この世でいちばんネガティブなはずの言葉が、ほんとうはいちばん美しい言葉かも知れません。
美しい恋愛小説です。
お勧めいたします。