これぞ“将棋”の大河ドラマ

時は江戸時代。
将棋を愛好したという徳川家康が俸禄を与えたことで、将棋を生業とする家元が始まり、それと同時に「名人」という称号も生まれた。
家元同士の戦いは、まさしく家の名誉を賭けた戦いであり、その熱量は現代に生きる私たちには容易に想像ができないものだ。

当時の「名人」は現代とは違い世襲制(推挙制)であり、純粋な将棋の強さだけで決まるものではなく、当然のことながら様々な思惑が渦巻いている。

そして、世代を超えて引き継がれる将棋への想い。
それはまさしく大河ドラマと呼ぶにふさわしい。

「棋士は死んでも棋譜は残る」と言うが、まさに現代に残った資料は彼らが生きた証そのもの。それらの史実をベースに作られた将棋の歴史ドラマをぜひ読んでいただきたい。

また、要所要所でちょっとした豆知識を挟んでくれており、それが時代背景などの理解を深めてくれる。まるで司馬遼太郎先生の歴史小説を彷彿とさせるそんな仕掛けも歴史の素人にはとてもありがたい。