残酷で綺麗な世界の終わりに

"ねぇ、もし世界が終わるとしたら、どんなふうに終わるのかな?"
そんな、鮮烈な一文で始まる、瀬戸内海の七里島を舞台とした青春もの。
伊織は卒業式の実行委員として七里高校に通うが、高校には大きな秘密があって──。

青春ものでありながらSF要素も強く、もちろん恋愛的な部分もあって、隅から隅まで作品を楽しめました。
特に高校の秘密が明らかになったときは鳥肌が立ちました。

キャラクターもそれぞれ個性的ではあるものの、高校生として等身大なところもあってすごく良いです。
梶木くんが好き。クールな雰囲気とカジキマグロのギャップがやばい。

クライマックスも良かったです。
ハッピーエンドかと言われるとそうでもないのですが、決してバッドエンドではなく、切なさも儚さも後悔も全部抱えたうえで、未来へ向かって強く進んでいこうとする伊織の姿が印象的でした。

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