瀬戸内海の小さな島が舞台っていいですね。キラキラした海面の眩しさ、髪を撫でる優しい潮風、序盤から雰囲気が良くてムード満点。そんな素敵な舞台で繰り広げられる等身大の恋愛小説、だけど主人公と高校には大きな秘密があって…。157日で終わるの意味が示されてからは物語にグイグイ惹き込まれた。ネタバレしちゃうからあんまり詳しく書けないけど、終わりが見えているこの世界観かなり好きです。未来と今を知っているからこそ、今を懸命に生きる伊織の姿には心打たれるものがありました。瀬那さんの作品は『フルーツパーラー〜』とか『好きと嫌いの間に〜』とか大人の女性の恋心を描いたモノが個人的にお気に入りなんですが、青春モノもいいですね。書籍化してほしいなあ。
"ねぇ、もし世界が終わるとしたら、どんなふうに終わるのかな?"
そんな、鮮烈な一文で始まる、瀬戸内海の七里島を舞台とした青春もの。
伊織は卒業式の実行委員として七里高校に通うが、高校には大きな秘密があって──。
青春ものでありながらSF要素も強く、もちろん恋愛的な部分もあって、隅から隅まで作品を楽しめました。
特に高校の秘密が明らかになったときは鳥肌が立ちました。
キャラクターもそれぞれ個性的ではあるものの、高校生として等身大なところもあってすごく良いです。
梶木くんが好き。クールな雰囲気とカジキマグロのギャップがやばい。
クライマックスも良かったです。
ハッピーエンドかと言われるとそうでもないのですが、決してバッドエンドではなく、切なさも儚さも後悔も全部抱えたうえで、未来へ向かって強く進んでいこうとする伊織の姿が印象的でした。
何となく過疎で、でも牧歌的でのんびりとした時間が流れる小さな島の暮らし。どこかクラスの仲間と一線の距離を置く主人公の突然の独白で、読者は突然非日常の世界へ誘われていく。
重くなりがちな世界にも関わらずたくましく暮らす主人公達。思いがけなく始まった恋はやはり切なくて、そしてアクシデントで島に訪れた事で出来た新たな友人が良かれと思って引き起こしてしまう残酷な現実をコレでもかと突きつけて!ネタバレしない様に紹介するにはコレが限界。
激しい展開にもまれる恋愛モノ読みたい人にオススメです。まったり平穏な日々なんてないなぁ、この世界観。この世界にいたら自分ならどーするだろうと思わず考えてヘタレてしまう。
まず、舞台がいいんですよね。
瀬戸内を舞台としたこの作品。
私も瀬戸内には行ったことがあるのですが、あそこはなんだか暖かく優しい雰囲気を全体に纏っているんですよね。そんな瀬戸内を舞台としている時点で
「これはいい作品では?」
と心の中で思いました。
そして、読んでいくうちにわかってくることがありました。
「これは良い作品だ!」ということが。
文章の表現方法が瀬戸内に合う。というと少し変ですが本当にそうなんですよ。暖かく、そして優しい感じが文章から出ています。
また、学生同士の恋愛の感じもその暖かさや優しさによってうまく表現されています!
と、ここまでいくとなんだか
「瀬戸内でワイワイする日常系の小説?」
と思われるかもしれませんが、この作品のジャンルはSFなんです。
最初の方は、優しい感じがしますが、ところがどっこい。
途中からSF要素が出てきます!
こっからが真骨頂だと思います!
まだ1500文字程度しかありませんが期待大です!
絶対に読んでみてください!