夢に向かって羽ばたく君を、振り向かせるだけの勇気……どうか僕にください

 最初の頃は、君のポニーテール姿を見ているだけでよかったのだろう。それが、君を好き……ということだったのだから。

 君が夢のために羽ばたこうとしていた時には、君の目も、口も、そのポニーテールも、全てが好き。それが、君を大好き……という理由になった。
 だって、旅立ちの時、君のポニーテールが振り向いてくれた気がしたから……。

 そして、偶然、駅で君を見かけた……。

 僕は君が好きだったのだろう……?
 何故、言葉にしない? 何故、捕まえない? 何故、振り向かせなかったのだろう?
 ほんの少しの勇気が、この僕に有れば、結果はどうなっただろうか……?
 そればかりが、読後のわたしの胸を締めつける。あまりにも、せつなさだけがこころに残る。
 そういう意味では、惹きつけられる恋愛小説である。