夢から醒めた夜に
「ん……」
あたしはゆっくりと目を開く。
夢を見ていた。懐かしい、と言っても最近のものだけど。
それは、あたしの中に残り続ける、楽しくて幸せだった大切な時間の欠片だった。
「また、見ちゃうなんてね」
あの一連の出来事があってから、彼との思い出をよく見るようになった。
それは、笑顔で譲った気持ちの、その奥に仕舞いこんだ感情が、どうしても消えずにいつまでも
「……」
べッドから起き上がりベランダへ出ると、あの時よりもはるかに冷たい夜風が寝間着のレースから熱を奪い去っていく。
あたしの頭や身体にしがみつく
「これで、良かったんだよね」
暗い雲海がどこまでも広がる景色へ向けて、
その
黒い翼猫は静かに
テンシの居るセカイ 南方 華 @minakataharu
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