オマケ ちょっと後日談

 追記もこれで最後です。ずるずるいつまでも書いてしまいそうなので、これで幕引きといたします。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

 というわけで、後日談などを少し。


 まず深芳。娘に「可愛くなれ」と言われた深芳は、与平の迷惑も省みず、彼の元へちょくちょく通うようになります。もともと深芳は、無自覚な恋愛ベタです。(男嫌いな上に、何もしなくても男が寄ってくるので。)


 当然ながら、与平は塩対応で、深芳に対する思いに自覚はあるものの、筋を通した対応をし続けます。

 しかし、迷走(ほぼ暴走)とも言える彼女の押しに負ける形で少しずつ彼女を迎え入れるように。彼女の迷走ぶりは、与平をして「本当に美貌そこしか取り柄がないんじゃないかと思えるくらい駄目」と言わしめるほどでしたが、素顔の彼女に触れ、与平はさらに彼女に惹かれていくことになります。


 ちなみに、男女の関係に疲れていた深芳と真面目な与平の二人は、深芳が成旺の側妻そばめということもあり、長い間プラトニックな関係でした。

 「がんばれ!市女笠」というタイトルで、ちょっとオマケで書いていたんですが、調子に乗り過ぎ、あまりに深芳がハチャメチャになってしまったのでお蔵入りになってしまったお話です。ちなみに、続編「もっとがんばれ!市女笠」もありました(笑)。


 一方、紫月は落山でのびのびと過ごし、美しい姫に成長します。波瑠や兵衛の影響もあり、かなり人の国かぶれとなっています。話し方は現代語、たまに小袖にフリルを縫い付けたり下をスカート風にするなど、阿の国ではアバンギャルドな女の子です。


 藤花から月詞つきことを学び、自在に歌えるようになっていきますが、自分が特別な存在とは思っていません。また、なし者の娘ということもあり、公の場には一切顔を出したことがありません。これは千紫の指示でもあります。


 彼女は「藤花編」でも少し出てきましたが、性格はあっけらかん、恋愛に関してもかなりオープンです。ただ、様々な気と同調しやすい彼女は、相手の気持ちに流され易い困ったさんでもあります。ちなみに、母親の恋を応援しつつも、彼女に容赦なくダメ出しをする手厳しい娘でもあり、些細なことで二人は張り合っています。


 そんな母娘二人の姿は、次回作で描きたいなと思います。

 ではでは、これにてしばし幕引きとなります!


 すなさと 拝(2022.8.5)



---- 関連作品 ----

『月影を統べる王と天地を歌う姫』

 碧霧と紫月が紡ぐ甘い恋と辛口な成長の物語

 https://kakuyomu.jp/works/16816927859669026928


『九尾の花嫁』

 伊万里と伏見谷の妖狐・壬のじれじれ恋物語

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886283502

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藤の花恋 すなさと @eri-sunasato

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