空蝉

小学生の時の夏。周りから少し浮いている転校生と少し似た境遇から仲良くなり、それを失ってしまった事件を社会人になってからの夏に思い出した話。
幼さ故の残酷性や寂しさ故の興味心で虫の命で遊んでいた少年が、ふとした事で変われるかもしれなかった事件。いや、変わってしまったから起きてしまった事件なのでしょう。
この作品を読んで『因果応報』と感じるのか、『突然の死で分からない』と感じるのか、『冷めた空気を纏っていた主人公の激しい失恋』と感じるのか、それは読んだ人次第だと思うます。
小学校の国語の教科書にありそうな作品。面白かったです。

　アリの巣にサイダー流し込んだりセミの死体蹴ったりする少年と過ごした夏のお話。
　面白かった、というかとてもよかったのですけれど、何がどう、と言われるとなかなか言葉にできません。なんで面白いんだろう？　正直、まったくレビューになってないのですが、なんだかいてもたってもいられないので書きました。
　説明文に「こむら川２作目」とある通り、競作の企画に出すために書き下ろされた作品で、その企画の共通のお題として『擬態』というテーマがありました（したがって、この作品も『擬態』というテーマを意識して書かれた作品ということになります）。そのお題に対してものすごく誠実に書かれた回答というか、『擬態』という要…続きを読む