第11話 産声を上げる。

 産声を上げる。


 扉が開くと中はアリーナのようなだだっ広さ。

 その一番奥に3、4段高い壇上に玉座がありルシファが座っているのが見える。

 666階を黙々と登って来た僕は精神的な疲労で何も考えずにふらふら、よた

 よたと玉座前まで歩く。


 ルシファはお待ちかねだった様ですぐさま話し掛けてくる。


 ルシファは堰を切ったように話し始める。

 さまざまな出来事を織り交ぜてのルシファの話は長いので要約すると…。


 悪魔界は悪魔の質が下がり真っ当な悪魔が減りこの先衰退の危機である事を懸念

 している。


 ルシファが堕天したあの頃は悪魔を率いる悪魔も悪に溢れた禍々しき気概を迸

 らせ、付き従う悪魔

 の軍団もそれはそれは悪に徹する健気で一途さがあった。


 ルシファが堕天して神・天使と対峙しての数千年。

 激しい鬩ぎ合いの悪魔・天使に大きな変化が生まれてきた。

 それは悪魔・天使共に現象が現れ、強いてはその影響で超絶な力が少しづつ削が

 れ減衰して来た。


 ルシファはその変化を齎した要因を推論して目星を付け人間界を観察して来た。


 そう元凶は人間界にある。


 悪魔も神も人間の在りようを糧として存在維持する。


 人間が人で無くなってきている。

 欲も生きる目的も無いただ生きるだけの虚無な存在。


 業を追求しその呪縛で増殖する悪。

 それを聖し悪を浄化する神。


 この対抗図式、サイクルも影響を受けて崩れて来ている。


 この様相を呈する現象は神代の世で一度だけ記録されている。


 それは遡ること数千年メソポタミア文明と総称されるイシュタールの文明の終焉

 に関係する。


 その出来事はおいおい紐解くとして兎沙戯うさぎ君にはわたくしルシファの初の

 男子の孫として

 悪魔の中学校に入学して貰う。

 入学する中学校は悪魔世界で頂点に位置する名門ハルマゲドン大学中等部だ。


 ほいで明日が入学式だ!

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【企画提案型 秘密基地で楽しむ】 僕の生き方正解だった!※オタ充の夢を形にしてリア充する一事例 ふぁーぷる @s_araking

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