第3話 埒があかない。
最期の瞬間を思い出す。
乳母車をスクランブル交差点の真ん中まで運んで誰も居ないのを確認してホッと
した瞬間。
背中に純白の羽を8本生やした天使がエンジェルを伴って現れて〜
「なんとゆう至高の自己犠牲、最上の天使として迎えます!」
と声が響いて…。
〈バリバリバリードゴーン〉
と空間が裂けて
今ここに居るんだよね。
でもあの最初の天使は何処行った?
思案してると
虹色の光が空間から漏れ出てパイプオルガンの音色が響き渡りあの最初の天使
が現れた。
「エミリア! ルシファの孫娘、エミリアよ」
「なんたる事を!」
「天使界でも稀な超優良新人を悪魔界に連れ去り横取りするとは!」
「このミカエル天界でかって親友だったルシファの孫と言えどもこれは許されま
せん」
なんだかややこしい話になって来た。
自己犠牲を行った僕は大天使のミカエルさんからヘッドハンティングされか
けた。
けれど、ルシファの孫娘エミリアから召喚でインターセプト横取りされた。
そいで怒ってミカエルが怒鳴り込んできた。
ややこしいどうしよう大きな組織同士のいざこざでは個人の人権は無視で処理さ
れてしまう。
うううう、どうしよう。
波風はやめましょう…。
意見できる訳ないか…。
でもなんで西欧の神なの…僕の家神道なんだけどな〜。
ミカエルが興奮気味に捲し立てる。
「エミリア!このままでは規律を大きく乱した事が大問題となりまた大戦が起き
ます」
「どうにかしなさい!エミリア!」
「小さい時は可愛かったのにね、も〜」
「どうしてこうなったのだろうね〜」
「あ〜も、ややこしいい」
ただ死んだだけじゃなく、訳の分からないこの状況。
ミカエルの声が頭に直接響く。
死んでません!だから更にややこしいのです。
自己犠牲でそのまま爆死なら大天使の傘下に高位の天使として転生したものを
貴方は死ぬ手前で悪魔の盟約で魂と肉体を伴って転移して来たのです。
手続きから面倒です。
正規の手続きでなく前例のないイリーガル処理をしないといけない。
面倒なのです極めて面倒!
ふと想う。
なんで神道の僕が天使や悪魔とか西洋の建物内でやんや言われるのだろう?
「あのそもそも僕は神道なんですけど」
あ~また〜ややこしい要素を放り込んできたわね!
いやいや、そうね!神道ね。
神道で折り合いつけましょう!
神道系の方誰かいるかしら、そうか10月八百万の神々は出雲で会議中。
ダメか〜。
いや、打って付けの神様が一柱、お留守番されているわ。
恵比寿様ね!
商売人だから話早いわよ。
「恵比寿様〜!恵比寿様〜!」
何事ですかこんな異国から私を呼ぶとは?
留守番でも色々忙しいんですよ!
で、顛末は思念を読みましたから大方分かります。
ただ、我が加護する日本の御魂が巻き込まれているこの事態は感心しませんね。
〈ギロリ〉
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます