第4話 総意を拵える。

 恵比寿様が問う、

 ミカエル! 、エミリア!、 あんさん方、どうされる所存かえ?


 ミカエルの言い分。

 純粋無垢な自己犠牲は稀で然も魂が極上に清い。

 天上界の厚遇として大天使の加護を施しているのでこのまま天界に連れ帰りたい。


 エミリアの言い分。

 今回の召喚は悪魔の契約を締結して実施した決め打ちでの人間のままでの特例

 召喚。

 兎沙戯うさぎの様な素直で汚れなき魂を探すのはルシファ爺さんの大願で

 あるので諦めるわけにはいかない。

 まして魂と肉体はもう悪魔界に所属しているし。

 悪魔界を救済する特別な召喚。

 キャンセルなんて絶対出来ませ〜ん。


 恵比寿様の裁定。

 そもそもどちらの所属でもない。

 兎沙戯うさぎは八百万の神々が守護する日の本の御魂の一つじゃ。


 解決策はレンタル移籍じゃ。

 国籍は、神州日の本。

 契約は、天上界。

 レンタル派遣先は、悪魔界。


 レンタル条件は兎沙戯うさぎ本人の希望を尊重し最良の対応を行う事。

 神州八百万もオブザーバーとして天界と悪魔界の約定厳守を監視する為に独自に

 加護する。

 まあじゃな〜、一番の被害者は兎沙戯うさぎやからな。


 兎沙戯うさぎを疎かに扱うと

 神、悪魔と言えども筋は通さねば末代までの遺恨ともなり得るからの。

 人間よりも極めて対面を気にする神と悪魔にとっては身が縮む言葉だろう。


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