『施設』に秘められた異常性

薄っすらと怖気が走るソリッドシチュエーションスリラーです。

心当たりがないまま、『施設』に送られてしまった少女たちに待ち受けるのは、健全な心を育むための矯正プログラムです。しかし、授業で見せられる映像は、おおよそ健全とは程遠い、非人道的なものでした。

異常性に気づき、身の危険を察知した少女たちは脱出計画を立てますが、少女たちにもまた内に秘める後ろ暗い過去があって…?

深い考察と確かな筆力で、キャラクターの内面を丁寧に掘り下げていきます。構成力も秀逸で、ひねりが効いています。

清廉なイメージである白を基調とした『施設』を舞台に、徐々にその姿を現わす狂気と目を覆いたくなるショッキングな描写は、映画『ミッドサマー』を彷彿としました。

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