「善意」で塗りこめられた「狂気」

まず、この作品で特筆すべきは優れた文章表現力による情景描写と人物描写です。
主人公を含めた少女達は「ある施設」に強制送還されます。
そこでは今を生きる私達には想像も出来ないような事が行われています。

冒頭からショッキングな内容ですが、文章表現にリアリティがありますので私達も主人公と同じように「実際にその場所」に居るような臨場感を感じられます。

そしてこの「施設」を管理したり働いている人達は「白い無機質さ」で描かれていますが、その根底には「善意」が在ります。しかし、自分達が正しいと言う「善意」の名の下に行われている事は紛れもない「狂気」であると私は感じました。

これとは対照的に登場人物達は主人公を始めとして「とても生き生きと」描かれています。それぞれの人物達の描き分けも良く出来ています。この人物描写に依って私達は登場人物達に「感情移入」がしやすくなっています。

物語はまだ途中ですが、この施設は何なのか?主人公達はこの施設から無事に生還できるのか? 正に「一読の価値あり」です(^.^)🍎

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