概要
僕らはずっと三人で、いつまでも一緒に居られると思っていた
僕らは何をするにもいつも三人一緒だった。三人で一人前みたいな、そんな感じ。
まあでも、メンバーが増えもせず減りもせずでやってこれたのは、僕ら三人、誰一人として、垢ぬけてないというか、彼女が出来る気配もないというか、つまりは、そういうこと。一番最初、一緒に行動するようになった理由は、多分他の二人も一緒だと思うけれど、クラスにつるめそうな相手がいないから仕方なく、みたいな、なし崩しだった気もするけれど。少なくとも、僕はこのままずっと一緒に、なんとなしに付き合いが続く気でいた。中学で出会って、同じ高校に通って、同じ大学に進学して、このまま卒業してもずっと一緒に居られる、そんな風に思っていた。
まあでも、メンバーが増えもせず減りもせずでやってこれたのは、僕ら三人、誰一人として、垢ぬけてないというか、彼女が出来る気配もないというか、つまりは、そういうこと。一番最初、一緒に行動するようになった理由は、多分他の二人も一緒だと思うけれど、クラスにつるめそうな相手がいないから仕方なく、みたいな、なし崩しだった気もするけれど。少なくとも、僕はこのままずっと一緒に、なんとなしに付き合いが続く気でいた。中学で出会って、同じ高校に通って、同じ大学に進学して、このまま卒業してもずっと一緒に居られる、そんな風に思っていた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!じわじわと、でも確実に迫る、得体の知れない恐怖
いつも一緒にいた〝はずの〟三人の、ただただ食い違う現実の物語。
ホラーです。雰囲気づくりがうまいというか、とにかく巧みに恐怖感を煽ってくれるお話でした。
なにが起きているのかはわからないものの、でも何かよくないことが起きていることだけは確実にわかる、そんな主人公の視点から追っていく話の筋。親友との対話が続く中、でもその内容がことごとく食い違い、原因もわからぬままひとまず話を合わせ続ける、という状況。不思議で、先を気にさせる話の組み立て方も見事なのですが、でもそれ以上に主人公の内面描写を通じて伝わる、この緊迫感の鮮烈さにやられました。
語り口の味付けや、倒置の使い所。読点の打ち方に加え…続きを読む