完全無欠のワイドスクリーン・バロック

このような評価は不適だとわかった上で書かせてほしい。この小説の存在によって、わかることが一つある。巷を騒がせた超巨大平安京入場ゲート小説は、しかし既存のジャンルに収まるものであるのだと。そしてこの小説は、途方もないものへの憧れと期待と、その風景に触れた時のよろこびを思い出させてくれる。すばらしい一作だ。“文字通りに”受け取ってほしい。この文章も、本文も。