このレビューの内容は【嘘ばかり】書いています。
- ★★★ Excellent!!!
【困ったことに】あかいかわさんの作品は読んだ直後にレビューが書けないのです。
硬くて噛みちぎれないようなお話ではありません。
作品から受け取るモノが大きすぎて、咀嚼するためのインターバルが必要になるのです。
【素敵なうそ】の物語です。
読んだ後【わかっている】のに【わからない】不思議な感情に陥りました。
作品の素晴らしさを人に伝えたいのに、言語による処理が追いつきません。
だから、とりあえず読んで欲しい!
読みながら、ひらたすら勝手な深読みをしていました。
物語のカギになる【ヨウコ】は何を示唆しているのかな。とか、
美冬は【展望台で何の星?を見ていた】のかな。とか、
【十年前に降り出してからやまない雪はどこに降っていた】のだろう。とか。
けれど作中にでてくる『〈排中律〉を取り除ける』と言う一言が特に素敵に感じたので、答えではなく、自分なりの発見を導き出すための咀嚼を続けたいと思える作品です。
読後、パブロ・ピカソの残した『芸術とはわれわれに真理を悟らせてくれる嘘である』という言葉を思い出しました。
ぜひ【素敵なうそ】に翻弄されてみてください。