このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(470文字)
線香の匂いが立ち込める静寂にも近い空間にあるのは、黙り込んだ人々が時折ハンカチで涙を拭う姿と鼻をすするような音。つまらないコントで笑えというのと真逆でここでは思い出し笑えさえ許されない。しかし、そんな場だからこそ、ちょっとしたことが妙におかしく感じるものだ。とは言え、笑いのある葬式も時には良いとさえ思えてしまう話がうまく描かれている。もちろん、この話を次の葬儀の席で思い出してはならない。
すっごく楽しくなりました😁ぜひ、読んでみて下さい😁笑笑
笑ってはいけないシーンの代表格、お葬式。にもかかわらずあまりにも面白いことが起こりすぎる。これで笑ってはいけないのは残酷です。主人公の「ブゲ!」がその全てを語っています。でも一番いけないのは、課長さん。笑いのモーターです。こんなお葬式に参列してみたいと思うのは不謹慎でしょうか?
このお話の主人公は葬儀の司会者です。葬儀といえば故人とのお別れという悲しい場面ですが、その裏側では実はこんなことが……。笑ってはいけない場面で笑いの刺客に次々と襲われる主人公が可哀想になります。リアルな情景に、ついつい感情移入して笑いながら読んでしまいました。おススメです!
人間、笑ってはいけないシチュエーションであればあるほど、笑いたくなってしまうもの。葬式など、その最たるものです。しかもこのお話の主人公は、式を進行する司会者。絶対に笑うことは許されません。しかし、悲劇は起こります。すごいのは、笑いの刺客のほぼ全てが偶然によるものということ。次から次へと畳み掛けるようにハプニングは続き、憐れな司会者を襲います。彼女には悪いけど、私は心置きなく爆笑しました。最初から最後までめちゃくちゃ笑えます。面白かったー!
お葬式を舞台にした、お仕事&ギャグ小説です。次々と襲い掛かる笑える出来事と戦いつつ、式を進行し続けなければいけない葬儀の司会者が主人公。不条理でありながらリアリティのあるトラブルの数々と、主人公の視点から描かれた葬儀会場の裏側、スタッフ、僧侶などのそこに関わる人たちの人間模様も非常にリアルで、笑いの要素に現実味を帯びさせています。文体も読みやすく、優しい文章なので息抜きにくすっと笑いたい方にお勧めです!