厳かな空間の中だからこその秘めたる笑い。

線香の匂いが立ち込める静寂にも近い空間にあるのは、黙り込んだ人々が時折ハンカチで涙を拭う姿と鼻をすするような音。つまらないコントで笑えというのと真逆でここでは思い出し笑えさえ許されない。しかし、そんな場だからこそ、ちょっとしたことが妙におかしく感じるものだ。とは言え、笑いのある葬式も時には良いとさえ思えてしまう話がうまく描かれている。もちろん、この話を次の葬儀の席で思い出してはならない。

その他のおすすめレビュー

ちびゴリさんの他のおすすめレビュー248