ブーゲンビリアのサウスポー

作者 銀鏡 怜尚

天才野球女子が青春を駆けた3年間の物語

  • ★★★ Excellent!!!

高校の男子野球部の監督を務める繁村と、男子野球部に入部した女子生徒のメグル。

たとえ試合に出れなくてもいい。繁村のもとで野球がしたい。
そんな強い思いを持つメグルが、入部してから全国に羽ばたくまでの3年間の物語。

天才的なセンス、誰にも負けない野球に対する熱意、明るい性格、男子部員すら引っ張っていくようなカリスマ性。
とにかく彼女の輝きがすごい作品です。

そしてストーリーの密度がものすごく高いです。部員の一人ひとりが、緊迫する試合の一つひとつが、丁寧に描かれていて、この世界にどっぷり浸かってしまうこと間違いなしです。勝ったときは嬉しいし、負けたときは悔しい、というように。

メグルだけではなく、男子部員もそれぞれ魅力的でした。
メグルの代のエース、畝原くん。
口数は少なく、プレーですべてを語る、みたいなところが格好良いです。勉強もできるのがさらに素敵。

未経験ながら、持ち前の運動神経でぐんぐん伸び、活躍しまくった栗原くん。
最初はメグルに思うところがあった彼ですが、少しずつメグルのことを認めてて、そういうところもこの作品は上手く描かれてるなぁ……と思いました。

メグル先輩のファンのチャラごーりくん。
先輩に対するチャラい口のきき方のせいで、たくさん走らされることになるのですが、その成果も出てきた終盤の彼の活躍が嬉しくなってしまいます。

そして私の推しはなんといっても横山くんです。
努力家で、学年トップレベルの頭脳を持ちながら、運動部にも挑戦したい。そんな向上心を持って入部した彼は、一度は挫折しかけますが、彼なりのやり方で参謀として部活に貢献し、人一倍練習し、野球の実力もつけて、3年生のときにはしっかり頼れる選手になってくれました。最高かよ。

ここまで書いてて気づいたのですが、上記の彼らの成長って、全部メグルが密接に関わってるんですよね……。
本当にすごい。

途中で色々とヒヤヒヤする展開もありますが、それがまたいいスパイスになっています。
皆さんにもぜひ、最後のスペシャルな試合、そして素敵なメグルと繁村の未来までたどり着いてほしいです。

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