硬式野球部の真のエースは公式戦にも甲子園にも出場できない女子部員でした

かつて夏の甲子園で準決勝まで導いた捕手は、バッテリーを組んでいたエースを交通事故で失い野球を辞めた。
その後、母校の教諭となった主人公は硬式野球部監督に着任します。
その硬式野球部に入部希望したのは、公式戦には出ることのできない投手志望の女子でした。

その女子の熱意に押され、入部を認めた監督ですが、男子に交じり練習し、持ち前の明るさと頑張りでバラバラだったチームがやがて結束していきます。

女子硬式野球部ならば間違いなくエースになれる彼女が、ピッチャーマウンドにも立てない男子硬式野球部で甲子園を目指す。

そんな時に発覚する彼女の病状。
野球どころか、命まで危険に陥る可能性もあることが判明します。
それでも明るく振る舞う彼女。
果たして監督の決断は……。

男子硬式野球部に入部した女子部員の熱い思いと、社会の壁。
丁寧に描かれた情景描写と心理描写。
作者様の安定した筆力に圧倒されながらも、甲子園への熱い夢を応援したくなります。



(2-20 鼓舞 拝読後のレビュー)

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